北海道新聞5月9日掲載 北海道新聞社許諾D2505-2511-00029676

新聞に掲載されました

記事回し読み広がる視野

札幌・西岡 有志集い「新聞カフェ」

さまざまな新聞記事に目を通しつつおしゃべりを重ねて話を掘り下げる「新聞カフェ」という取り組みが、札幌市豊平区のCOCOスペース(西岡4の13) で行われている。
ニュースのネット配信が普及する中、多様な価値観に触れることができ新聞紙面の良さを見直す場として、徐々に浸透しているようだ。


北海道新幹線、市営地下鉄、路面電車一。4月20日、4回目となる新聞 カフェでは、交通に関する記事の切り抜き約50枚ほどが机の上に積まれて いた。
この日のテーマは「札幌の交通の過去・現在・ 未来」。参加者15人が3班に分かれて切り抜きを回し読みし、感想を述べ合った。続いて気になる記事を一言添えて模造紙に貼り付け、壁新聞を仕立てた。

回し読みを行う中、一人が声を上げた。「水素ステーションって何」燃料電池車を動かすため必要な水素を供給する場所だという説明を聞き、「ガソリンスタンドのようなものだ」と納得した様子を見せた。

別の参加者は1997年に掲載された札幌市の敬老優待乗車証(敬老パス)の記事に注目。「30 年近く前から論議があっ たんだ」と驚きの声を上げた。

新聞カフェは、札幌のまち歩き団体ディスカバー・エゾの代表で新聞販売所経営の伴野卓磨さん(47)の呼びかけで今年1月から月1回開催。50年前と100年前の記事を回し読みしたり、高校の元校長をゲストに教育に関する記事を持ち寄ったりした。


過去3回参加した中央区の水彩画家 杉山梨恵さん(42)は「昔の記事から長年住んでいても知らないことに出合い、視野が広がる」、札幌日大高3年の吉田凱星さん(18)は「異なる世代の意見を聴くきっかけになるのが面白い」と話す。


伴野さんは「ネットニュースは、自分が読みたい話題しか目にしない場合が多い。新聞カフェをいろいろな話題を深掘りできる取り組みとして広げたい」と話している。

次回は5月30日午前9時から。参加費はコーヒーと茶菓子付きで千円(学生無料)

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